2014/09/01
胃
腸鎮痛鎮痙薬は 胃 痛や腹痛、さしこみ、痙攣などに対処す
るもので これらは 胃腸の過剰な動き 胃酸過多、胃液の過剰な分泌が原因となります。した
がって胃などの活動を活性化するはたらきのある 副交感神経を抑えるためにその副交感神経の伝達物質となっている
アセチルコリンを抑える抗コリン成分が配合されます。 これらの薬に配合される 抗コリン成分には 生薬のロートエキス、メ チルベナクチジウム臭化物、ブチルスコボラミ ン臭化物、メチルオクタトロピン臭化物、ジサイクロミン塩酸塩などがあります。 このうち、ロートエキスとメ チルオクタトロピン臭化物は乳汁中に移行することが知られているので 授乳中の人は服用には注意するべきなの です。 また 抗コリン成分の胃腸鎮痛鎮痙薬に配合される、ブチルスコポラ ミン臭化物はアナフィラキシーショックを起こす副作用があるとされ、これらは 抗コリン成分ですから こ の類の成分に共通の副作用として、散瞳による目のかすみや異常なまぶしさ、顔のほてり、頭痛、眠気や 口の渇き、排尿困難 便秘 などの副作用があるため排尿困難な高齢者や緑内障をもつ人の服用は避けるべきとされています。 また服用時に乗り物や機械類の運転も控えるべきとされています。 また 抗コリン成分ではないですが、パパベリン塩酸塩、 または パパベリンという胃などの消化管の平滑筋 を弛緩して、胃の痙攣を取る成分が配合される場合もあります。 この成分の副作用は 眼圧が上昇するということですから 緑内障の人は 服用には慎重になる必要があります。 次に胃腸鎮痛鎮痙薬には 痙攣を取る以外に 麻酔作用のある成分が配合される場合もあります。これも 大きな意味では痙攣 を取 る鎮痙作用ともいえますが、消化管の平滑筋を麻酔するので、局所麻酔成分に分類されます。 その局所麻酔成分は 聞き覚えもある 方もいるでしょうが、 アミノ安息香酸エチルです。歯痛や歯槽膿漏薬にも 同じように局所麻酔成分として配合されることもありますからね。 この胃腸鎮痛鎮痙薬に配合される アミノ安息香酸エチルは 副作用としてメトヘモグロビン血症があるため 小児への使用は避けるべきとされます。 もうひとつ、胃腸鎮痛鎮痙薬に配合される局所麻酔成分には オキセ サゼインというものがあります。これも 鎮痙と胃酸分泌を抑える効果がありますが、副作用として 頭痛、 めまい、眠気脱力感などがあり、妊婦や15歳未満の小児への使用は避けるべきとされています。 次に浣腸薬に配合される成分を見ていきます。 浣腸などの目的は 便秘などにより排便困難となったものを 出やすくすることです。そのため 肛門から直接注入する場合の成 分が あります。 その成分としては グリセリンとソ ルビトールがあります。 どちらの成分も直腸そのものを刺激することと、水分を供給して便を出しやすくする作用があるとされますが、どちらも長期連用 はよ くないとされます。 また グリセリンは 排便時に血圧低下による立ち くらみにも注意が必要です。 浣腸薬には 坐剤というものもあります。固形の差込型の薬剤で温度などにより柔らかくなりすぎた場合には 冷やして硬くして使用します。この 坐剤に用いられる成分には 腸の運動を促進したり大腸の腸管を刺激する成分のビ サコジルがあります。その他に 炭酸水素ナトリウムが用いられることもあります。 |
成
分名の読み替えについて 過去の手引き、学習参考書、OTC薬パッケージでは 左の物質名が記されていることも少なくありま
せんが、最新の厚生労働省による試験問題作成の手引きでは( )内の表記が選択されています。 ほぼ同じ物質であると 理解
してください。 臭 化メチルベナクチジウム → (メチルベナクチジウム臭化物) 臭 化ブチルスコポラミン → (ブチルスコポラミン臭化物) 臭 化メチルオクタトロピン → (メチルオクタトロピン臭化物) 塩 酸ジサイクロミン → (ジサイクロミン塩酸塩) 塩 酸パパベリン → (パパベリン塩酸塩) |